写真のゆくえ【写真整理の課題と対策】
退職まで40年分の手帳は過去を振り返らず、あっさりと処分することにした。
だが、次の難題が。写真である。
実は昨年に親の家を片付けた際、アルバムにきれいに貼られた写真のほか、バラバラ写真、要するにフィルム現像と全コマプリントが戻ってきたままの状態の写真がダンボール数箱分にのぼり、一つ一つ袋をあけながら紙焼きを選択し処分していった。たいへんな時間がかかるとともに、人が写っているものが多いから捨てると気持ちは萎えるし、簡単に捨てていいものか捨て方はいかにするかと悶々とした。
それで200枚程度にまで抑えてアルバムとともに我が家に持ち帰った。
今度は自分の番だ
自分の子どもたちが処分に困らないよう、物体としての紙焼きやネガはすぐに捨ててもいいように、デジタル化しておくのが解決方法だとはわかる。だがいかんせん数が多い。
両親のアルバム5冊 推定500枚。バラ200枚。
両親が作った僕が子どものころのアルバム5冊 推定750枚。
僕が中学以降にカメラをいじるようになってからのモノクロネガ85本推定3000コマ。カラーネガ260本9000コマ。紙焼き2箱3000枚。ここまでで16450枚。さて、16000枚を超える写真をどうするか。
いま、ためしに手元の古いスキャナーで、1200dpiでフィルム6コマのスキャンが10分かかった。36枚撮り1本で60分かかる。自分で家で345本のフィルムをスキャンすると1日8時間労働ぶっとおしで43日。時給950円で327000円あまり。他にも色調整やフォルダ格納作業などがある。
さりとて、このコマだけと指定するにはそのコマを特定し印を付け、ひとコマづつスキャンし、となるからそれも時間がかかる。
スキャンサービス会社 あれこれ
写真プリントのスキャン、DVD・デジタル化 | 富士フイルム
これだと標準1200dpiで一本367円×345本=126615円。紙焼き写真は300dpi標準で、900~1000枚が1枚17円。上限の1000枚として17000円。
解像度と出力サイズの関係はここに、わかりやすい表があった。↓
写真 デジタル化・スキャンの高品質サービス|スマイル・シェアリング株式会社
大きく伸ばさない家族写真程度なら、フィルムで1200dpi、紙焼き写真は300dpi。
A4判とかに大きくプリントするならその倍以上のdpiでスキャン。
■フィルムの場合
■紙焼き写真の場合
知り合いから紹介されたのが、これ ↓
ご家族の写真をすべてデジタル化!スキャン放題 | 節目写真館
アルバム、紙焼き、フィルムまぜこぜで箱に詰め放題。一番面倒がなくていいかもしれない。紙焼きは300dpi、フィルムは1200dpiで全部スキャンしてくれるからだ。今ちょうどキャンペーンをやっているから特に安いが、そうでなくてもコストパフォーマンスはいいと感じる。納品まで6ヶ月で、ベトナムのスキャンセンターで作業をするそうだ。一番安いコースの通常価格で29800円。紙焼き300dpi、フィルム1200dpiだ。
これでまず一旦はデジタル保存という安心を確保し、あわせてフィルムのインデックスを手に入れ、大切なコマのみ大伸ばし可能な高精度スキャンをしてクラウドに保存しておく、というのが理想的だ。
いずれのサービスもDVDやUSBなどのメディア納品だ。火災や災害などで万一喪失したら原版を処分していたなら元も子もない。やはり大量データの中から取捨選択してクラウドにアップすることで安心できる。
紙焼きはスキャンするかスマホで撮るか
スキャンの実験をしてみた。
右二つはフィルムをスキャン。右上が2400dpi、下が1200dp。PCモニターで大伸ばししてもほとんどわからない。やはりフィルムは一旦は1200dpiで十分であることがわかる。
左の上は紙焼きを1200dpで、真ん中は300dpiで。ここまで拡大すると、確かに1200のほうがざらつきはないるが、拡大しなければまず見分けられない。
大きく伸ばす予定の無い家族写真はスマホで撮って、自動的にgoogle photoにアップロードできるからクラウド保存が可能では?と思い、やってみた。右下が一番粗く見えるが、スマホで直接撮影したもの。だが、実はここまで拡大してわかることだ。
こうして普通の大きさにすると、PCの画面上ではほとんど見分けはつかない。
これからはWEBやクラウドで写真を見る、交換することが多いだろう。
写真趣味で大きく引き伸ばして壁に飾ったりするのでなければ、この範囲で十分だといえる。
ごちゃまぜの大量写真は「スキャン放題」で。フィルムも1万円のオプション追加で高精度スキャンするとしても、紙焼きに関しては、ある程度数を減らすために整理しながらスマホで撮るのも簡単でいい、ということが見えてきた。
ちなみにデジタル写真は
場所はとらないものの2000年頃からデジタル写真が急速に増える。
02年~07年〔6年間で〕4.2ギガ。08年~09年〔2年間で〕4.2ギガ。以下一年ごとに、2010年8.3ギガ、2011年74.3ギガ。12年33.8ギガ。13年29.9ギガ、14年22.0ギガ、15年25.4ギガ、2016年99.3ギガ。
2011年は被災地で写真を多く撮らせていただいた。またスマホを始めたので枚数は一気に伸びた。2016年は退職記念の海外旅行や孫を撮る機会が増えたから、どうやら多いらしい(笑)。
いずれにしろ撮りっぱなしではなく、まとめること、作品化することを目標にしなければ、と思う。スマホで手軽に次々撮るだけでなく、「たんたんと」した日々の中で、一眼レフでじっくり撮ることにもチャンレンジしたいものだ。
人生は振り返るな トイレは振り返って出ろ
この言葉の作者はわからない。何年か前の「名言・格言日めくりカレンダー(手帳大賞作品集)」に掲載されていた一般の方が応募したもののはずである。我が家ではトイレに架かっている。
言葉もそうだが特に猫のイラストが気に入って、額に入れてとってある。猫トイレの脇に一粒落ちているのがカワイイではないか。きっとこの猫の肉球の間にはネコ砂が一粒挟まっているはずである。
昨年末もぎりぎりまでトイレをピカピカに磨き、注連縄を張り、年が明けるまでトイレに入ってはいけないと宣言したら(笑:もちろん冗談)家人が困っておった。
さて。人生というのは振り返りたくなるものではあるが・・・
1977年、まだ学生の頃からの手帳。約40年分を並べてみて思った。
退職したら一冊づつ、ためつすがめつ読み込んでかつてを思い起こし、自分史でも作るのかなあと想像していたが・・・今の気持ちはあっさり「邪魔だ!! 廃棄だ!断舎離だ」(笑) である。
それでも捨てる前にこうして年の順に並べて見ると、ルーティンで動く職場は小さな手帳で間に合い、企画系の仕事だと扱うデータ量が飛躍的に大きくなり、普通の手帳では間に合わなくなっていたことがわかる。ちょうどシステム手帳が大流行した時代でもある。
システム手帳の巻末にデータベース(イエローページ)を仕込んだり、スケジューラとは別に、プロジェクト別の進捗管理シート挟み込んで使っていた。TODOリストは、全部線が引かれると片っ端から捨てていたが、半端な枚数ではなかった。
そのうち、たまたま仕事場の手帳製作の仕事がまわってきたので、システム手帳のリフィルサイズ(バイブルサイズ)で作って配布し、自分は6穴あけたり、バインダーに綴じて使ったりした。
よれよれで手垢で煮しめたような色になっている本革製バインダーには本当にお世話になった。リフィルよりも、これは捨てられない。
こうしたことをある場で報告したら、「人生の歴史が詰まった宝では?」「捨てないほうがいいと思うよ」とか「自分は捨てられない」と忠告やご意見をいただいた。だが僕は清々した気持ちだ。いやなことから逃れてと言う意味ではない。自己満足の部分はあっても自分が仕事してきた結果は時とともに薄まりながら、あるいは次の時代の方々がより良く改めながら継がれていると思えたから。
いつ誰と会って何をしたとかはもういいかなと。それらの結果として今もつながっている友が多い。そっちのほうがたいせつで幸せである。手帳を取っておいて、もう一度読んでも人生やり直せないし(笑)
老後資金と自己責任
「確定拠出年金」の移換手続きをしろ、と旧勤務先が提携する運営管理機関から連絡があった。退職から半年、バタバタ忙しくて手続きせず放っぽっておいたからだ。
9月に退職したので6ヵ月後の3月まで手続きの猶予期間がある。が、確かに半分過ぎたし、そろそろやらねば。
「確定拠出年金」は、僕の年代だと最初からあった制度でなく、十何年前に「401K」と騒がれつつ生まれた制度だ。大切な退職金の管理を外出しして本当に大丈夫なのか?自分で運用などできるのかと心配しつつ、「先のこと」はわからないと考えることを保留してきたが、その「先」がつい目の前にやってきた。まだ60歳までもらえないから運用管理を企業型から個人型に移換せよ、というわけだ。
比較的平易な解説がここにあった。
第1回「これでわかる! 確定拠出年金の仕組みとメリット」前編 - 投資信託協会
まあ自己責任で運用とはいえ、僕は妻に任せきりだったわけだが、その妻は株とか資産運用とかが大好きな人間なのだ。運用期間途中にいろいろ商品の転換を指図していたようで、結果、リーマンショックも乗り越え、ほんの僅かな運用評価損で定年直前までこぎつけた。
妻の株好きは長い。元手はあまりないのだが、リーマン以前はFXにも手を出していてかなり稼いだ。何か勘が働いたのか、リーマン直前にふと資金を引き上げ、手をひいたから幸いにも損することがなかった。
しばらく投資から手を引いていたが、またチョコチョコ小遣い稼ぎを始めている。僕が時給1000円以下のアルバイトをしている時に、今日は一日で1万3千円もうけた、とか言われると、そうか、座ったまま僕の2日分を数時間で稼いだのかと。
別にそれでくやしいとか感じる僕ではなく嬉しく思ってしまう。早く、僕が左団扇で暮らせるよう頑張ってほしいと心から願っている(笑)。そうはいかないか。
暮らしとカラダの変化
退職後3ヶ月の僕は、ありがたいことにあちこちで送別会やら、暇そうだから呼んだとか、時間ができたので旧知の仲で久しぶりにとか、連日のようにとはいわないが、現役時代よりは飲んでいるかもしれない。特に摂
大きく変わったことは普段の食生活。
机に座り放しでパソコンや会議続きの仕事ではなくなったこと。
この程度のこと、現役時代にやれる人はとっくにやってるか。でも僕は苦行僧のようなことはしたくなかったゆるい人間だから。
ここで、な~んだと笑わないでいただきたいが、僕は身長163センチだから標準体重は約60kgをきらないと。あと10Kgもある。
ここからスタート。ゆっくりまた1年かけて5キロくらいかな。
正月の花
正月の花。おせちは適当でも、花があると気分がいいね。
これは妻のしわざ。いけばなやフラワーアレンジメントを習ったことは無いそうだが、なかなか形になっていて、たいしたもんと思う。
100年を生きる
正月も三が日が明け、世の中は通常の暮らし、仕事が営まれている。僕はこのあと一生正月である。それは冗談として・・・
「LIFE SHIFT ~ 100年時代の人生戦略」を読んだ。
1,2ヶ月前から本屋で平台に積まれていることが多い。
僕はこの9月に勤め人の一線を退いたことで、人生の第三のステージに入ったと考えている。
多くの知人は「悠々自適ですね」とおっしゃる。しかし、そんなことはない。冗談めかして「汲々自殺」にならぬよう頑張ります、などと答えているが、事実、慎重に生きていかねばならないと思っている。お金も大事だがしっかり準備はできなかった。それよりどう生きるか、心持ちの問題も大きい。
1st:教育を受け、2nd:仕事をし、3rd:引退する。という従来の流れで云うところのの第三のステージには程遠い。完全引退は理想だが、従来の延長で役職定年後65歳くらいまで仕事をしても、その後に必ず来る「本来の自分の人生」のあり方づくりを先送りにしてしまうとの危惧もあった。いままでの人生ではずっと先送りにしてきたから、僕にとっては、ある意味待ったなしになっているのだ。
この本では、ちょうどその、新しい時代における第三のステージのありようが、次の3つのキーワードで示されている。
「エクスプローラー」(探検者。自分と相性のいいものを見出す資質をもつ人)
「インディペンデント・プロデューサー」(職を探す人でなく自分の職を生み出す人)
「ポートフォリオ・ワーカー」(異なる種類の活動を同時におこなう人)
*( )内は僕の勝手な抽出引用。詳しくはむろんこの本で。
さて自分はどのような人であろうとするのか。この本は指南書ではないが、僕だけでなく多くの人が今後の生き方を自ら考えるヒントを内蔵している。