退職後を考える。もう退職しちゃったんだが(笑)
100歳までは欲張らないが、80歳でよしとして、それでもあと20年。
今、国は「一億総活躍」と言い、74歳までは老人とはみなさないといい始めている。確かに現実的に年金制度や人口動態との関係では、いやおう無くそういう対応をせざるを得ないとも思う。僕の年齢では、あと15年、社会で安定的に生きる道筋が必要だ。
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・幸いにも、子どもたちは早めに独立、新しい世帯を作っている。子育て真っ最中のように収入はなくてもいいが、働く場、働き方稼ぎ方の複々線化を探る。
・年金だけでは暮らせない。がつがつ働く気はもうないが、働きすぎると年金は減額かもらえない。
・暮らしのダウンサイズを始め、出を抑える(飲み代は別(笑)。
・住宅ローンは先日手続きをしてこの3月には晴れて「完済」となる。大きな借金がなくなったのはありがたい。手を入れて人に貸せば、逆に多少の収入につながりそう。
・家は夫婦二人には広く、自分たちは小さな家に越して暮らす(借りるかどうかは検討中)。
・退職金の残りなど現金を銀行に入れ放しではなく、どう活かすか算段中である。
・自分たちに葬式や墓は要らないが(自然葬・散骨を希望)、親の世代の墓じまいに手をつけなければいけない。
・共済や保険の契約もだいぶ見直したが、自分たちや親の大病や事故への備えは十分とは言えない。
・夫婦それぞれの親の介護などは、原状では余り持ち出しはなく、それぞれの親のお金でなんとかなっているから、それはありがたい。
・年金はいつからもらうのか。早目(前倒し減額)か、遅め(先送り増額)か。いつ死ねばお徳か、その「損益分岐点」は?
たくさんの線分があり、補助線があり、複雑な図になりそうだが、これからの生き方は単純な一本の線で表わすことはできない。考えること、やることはたくさんある。
僕は不器用なので、あれこれに気が回らす、働きながらでは深く調べたり考えにくかった。もちろん、ある程度の道筋が見えたから退職へのはずみをつけたのだが、少し早めに退職してよかったと思うこのごろである。
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僕らの世代は、まだ、人生の第一ステージで教育を受け、それを生かして第二ステージで一生懸命はたらいて家族を養い、資産を形成し、第三ステージで悠々自適に暮らすという、いまとなっては幻想のような青写真を半ば信じていた。
僕らの親の世代は、真に悠々自適かどうかは別として、年金受給に限って言えば「逃げ切り世代」と言われている。が、若いときには戦争に巻き込まれていましたから、第一ステージは滅茶苦茶だったともいえる。
僕らの子ども世代は、第一ステージは多くが大学や、場合によっては大学院まで通える環境が整えられているが、仕事や暮らしにそれを生かせる環境は崩れてきている。相当な教育を受けても非正規雇用が多いし、子育て環境も貧弱で、家庭を持つ生涯設計が立てにくくなっている。
そういう意味では、昭和30年から60年前後のたった30年間だけが黄金の時代だったということだ。まさに僕はそういう時代に社会の果実をのんびり享受できたが、今は、厳しさを迎え撃つ姿勢に早めに切り替えなければいけないと考えている。
人間の一生は、いい時もあれば悪いときもある。生き延びさえすればどこかで平均化されるのなら、納得できるのだが。どうなるだろうか。
【生活費と準備】
65歳夫婦(無職)の場合 *住居費、教育費を除いてあります。
消費支出(月額) 非消費支出(月額) 食料費 58,948円 直接税 13,073円 光熱・水道費 20,183円 社会保険料 17,393円 家具・家事用品費 9,111円 その他 51円 被服及び履物費 7,033円 保健医療費 15,262円 交通・通信費 27,022円 教養娯楽費 26,273円 その他 61,521円 小計 225,353円 小計 30,517円 1か月の生活費合計 255,870円
結局、年金は早くもらうと得なのか損なのか?
ちょっと試算してみよう。仮にBさんが65歳からもらえる老齢基礎年金額を年額720,000円(月額6万円×12月)とする。これが60歳からもらうことで、70%の504,000円に減額される。分岐点は77歳。60歳から77歳までに17年間の受給総額は8,568,000円。一方、65歳から77歳までの12年間、本来の老齢基礎年金額の受給総額は8,640,000円になる。
受給総額で比較した場合、大雑把にいうと、77歳より長生きしなければ繰上げ受給のほうが得、77歳より長生きすれば本来受給のほうが得ということになる。
ちなみに、日本人男性の平均寿命(79歳:平成23年統計)まで生きるとすると、本来受給のほうが50万円ほど得をするという計算だ。
まあ、こんなに貯金も資産もないので、考えてもしょうがないんだ。やっぱり働くしかないな(笑)